母親がもたらした縁談で幸せを掴むことに

出会いはいくつか得ていたものの、どれも良い付き合いには発展することがなく、婚活もお休みしてみようかなあ。なんて、弱音を吐いてひとりで考えていました。普通に合コンで出会った相手ともお付き合いしたのにうまくいかず、別れてしまった後でした。本当は傷心でしたが、家族の者から知り合いの息子さんに会ってみないか?と縁談を持ちかけられたのです。私は3人姉妹の末っ子。姉2人はすでに嫁いでしまいました。母親としては、末っ子である私のことが心配でならないようで、知り合いとその旨の話をしたらしく、「じゃあ…。うちの子と合わせてみましょう」ということになったそうです。

相手と私、お見合いという形で会うことになった当日のこと。居酒屋風のお店で母親と2人で出かけていきました。相手の男性は一人で来ており、途中で私の母も気をきかせて退室したために、二人だけで話をしました。第一印象は特になかったのですが、仕事で「疲れているなあ」という印象です。クターとした雰囲気で気苦労をしているのか、しんどそうでした。だから当時は食事だけ済ませて、そこそこで帰宅しました。帰宅後は母親に「どうだった?」と聞かれたので、「あの人、疲れてるみたいだわ…………。」とだけ答えておいたのです。

母親から相手の母親へと私からの印象が伝わっているんだろうなあ…と想像しながら、2度目のデートへ向かいました。
正直2度目に会うか会わないか決めた理由はというと、特にないんです。断る理由がなかったという思いは良縁である場合に多いと思います。相手には何も感じないけれど、一度きりだと相手も自分を表現しきれていないだろうから、どんな人か、わからないから。と思っていました。相手の方はすでに30代後半でしたが、それなりに緊張している様子で店員さんへの対応でも「ああ…」というぶっきらぼうな受け答え。そんなふうにみえたので2度目に会ってみたのです。

消極的な選び方ですが、2度目のデートの時間で彼のおいたちについて伺いました。もともともっと山奥に生まれたそうですが、母親と3人の息子たちをおいて亡くなったそうです。まだ幼稚園の頃に父親が亡くなり、母親は看護婦として働くために生まれた地域から都会へ引っ越したそうです。遠足の時は一人でお弁当を準備したとか、そういう可哀想な話をする時も悲壮感なく語っていました。なんとなく、惹かれていくのです。苦労したんだねとも言わず、何かしてあげたいという気持ちが湧きました。結局良縁なんて、良心が反応するかどうかなんだと思いました。

その後、正式に結婚に向けてお付き合いを進めることに。お互いの母親は子供に紹介した立場なので、トントン拍子に進みました。住む場所はどこにするとか、結婚式はどこで取り行うとか、そういう細かい決め事は女性の私の仕事でした。相手は、仕事があるので頭がいっぱいの様子。婚前旅行も済ませて、誕生日のお祝いしてあげて。お見合いが出会いでしたが、普通の恋人が楽しむようなイベントを組んで二人で盛り上がっていたのです。

二人で住むことになる家も準備してから彼の母親の家へと挨拶に出かけた時、「家はあるのに、どうして?」とつめよられてしまいました。要するに、住む場所は彼の実家か、私の実家かすでにあるのに、どうして新しく借りるの?お金がもったいないと言っているのです。彼は私の方をチラチラ見ながら黙っていました。「彼の職場に近い場所がいいから借りました」彼は姑になる相手に物申したのです。そこで、私が言わせているように思われるので、むっとしたという出来事も乗り越えて、アパートを借りたのです。

式の日取りも決まり、家族と旧友を呼んだ式が終わりました。その後二人でハワイへ新婚旅行を兼ねて出発。こうして、私たちの新婚生活はトントン拍子に進んで行きました。新婚家庭では、彼から毎日ダラダラ過ごしてるの?などと釘を刺されることもありながら、良いタイミングで妊娠がわかりました。こうしてトントン拍子に家族が増えていきました。

彼は先生のような個性を持っており、友人に写真を見せても、教師みたいだねと言われていました。生活上でも、するべきことは忘れないようにメモに書いておくような癖があります。横で私が見ていると、「こうしてメモしないと忘れてしまうからね…」というふうに呟いたり、少し堅苦しいです。とはいえ、結婚式の披露宴で私の父からは「返品はできないからね」と念を押されていました。親族の紹介は少し面倒でも、母親からの紹介であれば信用しやすい相手だと考えることが妥当ですから、私も素直にこの縁談を受けたのでした。これまでうまく行かない出会いが数多くありました。自分でもどうにもならない別れも経験しました。ですが、良縁となる出会いは自分で繋ぐよりも、よこされるものだと言うことだと思いました。両親との関係性も非常によくて、良い出会いでした。

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